結納
その他
仲人
仲人(なこうど)とは、結婚する二人の仲立ちをして、両家の間を取り持つ役。二人の良き相談役であり、指導役ともいえる。媒酌人ともいう。見合いのときは「世話人」、結納では「使者」、挙式・披露宴では「媒酌人」と呼ばれる3つの役目を果たす。
世話人は二人の仲立ちをする役割。縁談の取り持ちから見合いのセッティング、挙式までの段取りを手がける。使者は正式な結納において両家を往復し結納を取り仕切る役割。媒酌人は結婚式の立会人であり、誓約の証人となり、披露宴では式の報告者の役割を果たし、祝杯の発声をする。
3つの役は別の人が行なう場合もあるが、通常は世話になった先輩夫婦や上司、恩師にお願いすることが多い。最近は仲人を立てないカップルや、結納は家族だけで行い、挙式・披露宴当日の媒酌人だけを果たす「頼まれ仲人(杯仲人、名誉仲人ともいう)」をお願いすることも多い。
地方によっては「ちゅうにん」と読んだり、「下づくろい」「橋かけ」「橋渡し」とも呼ぶところもある。結婚後の仲人とのつきあいは、少なくとも3年間はお中元とお歳暮を贈るのが礼儀とされる。
仲人の起源は、仁徳天皇40年(紀元352年)2月、天皇は、雌鳥(めとり)の皇女をお妃に迎え入れようと思い、異母弟の速総別尊命(はやふさわけのみこと)を仲立ちにされたという記事が日本書記に記されている。これが仲立ち=仲人という言葉が初めて記録に残っているもので、仲人の起源とされている。物語としては、申し込みを受けた雌女が遣いの速総別を好み、関係を持ってしまう。つまり、仲立ちの男性と申し込まれた女性とが結ばれてしまったという結末になる。
使者
正式な結納を行う際に、両家を往復し結納品を取り交わす仲介者のこと。両家の近親者から互いに一人ずつ選任するのがしきたりだが、使者を立てず仲人や媒酌人が代行する場合が多い。
媒酌人
媒酌人(ばいしゃくにん)とは、結婚式・披露宴における仲人のこと。媒酌人は結婚式の立会人であり、誓約の証人となり、披露宴では式の報告者の役割を果たし、祝杯の発声をする。仲人は媒酌だけでなく、縁談の世話人、結納の使者も務める役割だが、媒酌人=仲人を意味している場合もある。
本来は、世話人、使者も務める仲人が媒酌人も務めるが、挙式当日のみ格の高い来賓に媒酌を依頼する「頼まれ仲人」の場合が多くなっている。一般的には、新郎の上司や学生時代の恩師などで、正式に結婚している夫婦である人に依頼する。媒酌人ではなく乾杯の音頭として依頼することもある。
世話人
→媒酌人
頼まれ仲人
頼まれ仲人とは、結納の立会いや結婚式当日だけ仲人役をお願いする人のこと。仲人とは本来は、縁談から結婚式まで両家を取り持つ役で、見合いのときは「世話人」、結納では「使者」、挙式・披露宴では「媒酌人」の3つの役目を担う人である。だが、最近は形だけの頼まれ仲人が増えている。
レンタル仲人
結婚式当日の立会いだけをお願いする媒酌人のレンタル。
予定していた媒酌人が病気やスケジュールの調整が付かなくて急遽欠席することになった場合や、「その後のしがらみを考えると知人に頼みたくない。」と考えるカップル向けに、レンタル仲人を立てて形式だけの媒酌を行う。
司会者のプロダクションや式場のエージェントを通して、元校長先生など経歴のしっかりした人を紹介してもらえる。父親の友人といった関係にして、レンタルしたことは伏せておけば、誰にも悟られること無く体裁を保つことができる。
月下氷人
月下氷人(げっかひょうじん)とは、仲人、媒酌人のこと。故事の「月下老人」と「氷人」との合成語。
月下老人とは、唐の韋国(いこ)が旅先で、袋に寄り掛かり月の下で書を調べている老人に出会い、「袋の中にある赤い綱で男女の足をつなげば夫婦の縁が結ばれる。」と言われた故事。「結婚する運命の男女は小指を赤い糸で結ばれている」という伝説の由来ともされる。
氷人とは、晋の令孤策(れいこさく)が見た夢の話から来た言葉。令孤策は夢の中で、月の光る氷の上に立っていると、氷の下に人がいて、その人と話をした。策耽(さくたん)という占い師に夢の話をして占ってもらったところ、氷下は陰(女)、氷上は陽(男)、陰と陽が話し合ったのだから、あなたは結婚の仲立ちをするだろうと予言された。その翌日に土地の有力者から「息子の結婚の仲立ちをしてほしい」という依頼を受けた。結果、その結婚はうまくいった、という故事が由来。
この二つの故事から月下老も氷上人も共に縁結びの神様とされている。二つを合わせて月下氷人と言い、仲人の雅語として用いられている。