挙式
種類
挙式スタイル
結婚の儀式を行う方法のこと。教会式・神前式・仏前式の宗教理念に基づいた伝統的なスタイルに加え、最近は無宗教の人前式スタイルも人気。人前式には全日本ブライダル協会認定の司式者(シビルウェディングミニスター)が執り行う厳粛な挙式スタイルもある。海外挙式では、リーガルウェディング(現地の民法に則った挙式スタイル)や教会でのブレッシング式(キリスト教の教義に則って、司祭が未信者のカップルに祝福を与える結婚祝福式)などがある。
キリスト教式
教会やホテル・式場のチャペルで挙げるキリスト教の教義に則した結婚式のこと。キリスト教は大きく、カトリックとプロテスタントの2つの宗派に分けられる。
プロテスタント教会は信徒以外でも挙式を行うことが可能。ホテル・式場でのキリスト教式の場合は、ほとんどがプロテスタント。カトリック教会では原則的に信徒以外の挙式は出来ないが、ローマ教皇庁の特例により日本では未信者でも認められている。町の教会での挙式を希望する場合は、事前に「結婚講座」を受けたり、礼拝に通う必要があることが多いので確認をした方がよい。
司式の進行自体は宗派であまりかわらないが、名称が異なる。例えば、カトリックで[御聖堂・聖堂/神父/ミサ/聖歌]と呼ばれるものは、プロテスタントでは[礼拝堂/牧師/礼拝/賛美歌]となる。バージンロードもカトリックは赤い絨毯(じゅうたん)、プロテスタントは白い布と、異なる。
基本的な挙式の進行は次のように行われる。参列者入場→新郎入場→新婦・新婦父入場→聖書朗読・祈祷→説教→結婚の誓約→指輪の交換→結婚宣言→賛美歌・祈祷→新郎・新婦の退場
神前式
神前(神社)で行う挙式スタイルのこと。神社のほか、ホテル・式場に設けられた神殿で行われる。式に参列できるのは親族だけなのが一般的だが、友人が列席できるところもある。神前で杯を交わし、結婚を誓い、結婚を先祖の神々に報告する。雅楽の演奏や舞が入るところもある。
今日のような神前式の始まりは、明治33年に大正天皇のご成婚を記念して日比谷大神宮(現大東京神宮)で行った結婚式が始まりと言われ、実は歴史は浅い。元々は古く室町時代の武家の結婚式が起源とされる。古来結婚の儀式は、各家の床の間に祀られた神様の前で行われ、夫婦の契りを結び固めた。明治時代以降は、結婚式は床の間での儀式から、神社での神前式へと姿を移して行く。神前式の神様は、一般的なのは夫婦円満の神様で、天照大神(あまてらすおおみのかみ)の親とされている伊弉諾(イザナギ)・伊弉冉(イザナミ)二柱の神様が祀られる。
人前式
人前式とは、宗教色のない挙式スタイル。結婚の誓いを宗教に関係なく、両親・親戚・友人・知人などの前で永遠の愛を誓い、列席者全員が立会人・証人となる。牧師や司祭、神主に代わり、列席者の中から立会人代表を立て挙式の進行を務める。披露宴の司会者に合わせて頼む場合もある。
特に決められた儀式も式次第もないスタイルで、進行や誓いの言葉などすべてが自由なことから、オリジナルウエディングをしたいカップルに最近人気の挙式スタイル。シチュエーションにとらわれないため、レストランウェディングでよく用いられる。また、船上やテーマパークなど自由なスタイルで行うことも出来る。挙式料金を抑えられるのも魅力。
仏前式
仏教の教えに基づいた挙式スタイル。司婚者は僧侶が行い、念珠(数珠)を受けて焼香し、仏様の前で来世まで連れ添う夫婦の結びつきを誓い、祖先に感謝し、盃を交わす。仏教には浄土宗や浄土真宗、日蓮宗など多くの宗派があり、司式の流れや焼香のやり方などが宗派によって異なることが多い。衣装は、花嫁は白無垢、花婿は五つ紋服。
ホテルや式場では仏前式用の挙式場を設けているところは少なく、一般的に、先祖代々の菩提寺や自宅の仏前に僧侶を招いて行う場合が多い。少なくとも両家の一方は、挙式を行う宗派に属している必要がある。仏前式では日取りは関係なく、六輝(六曜)にこだわる習慣はない。仏前式では、挙式料のことを懇志(お布施のこと)と呼ぶ。