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ウエディングドレス
装飾技法
デコラティブ
デコラティブ(decorative)とは、装飾的なという形容詞。装飾をあしらって飾り立てるといった意味に使われることが多く、装飾が多く派手なことを指す。ウエディングドレスには、フリルやレースをあしらうことでゴージャスな雰囲気になる。
トランスペアレント
トランスペアレント(transparent)とは、英語で透明な、透き通ったという意味。レースやオーガンジーやシフォンなど透明感のある素材を使ったファッションを形容する言葉。その部分の肌が透けて見えるデザイン。最近は、透けて見えるという意味のシースルー(see through)という表現もある。
仮縫い
仮縫いとは、細部の調整をするために本縫いの前に行う過程のこと。最初はシーチング(比較的粗く平織にした綿布)などの仮の生地を裁断し、しつけ糸だけで仮に縫い合わせた服を試着してみることにより、着用者の体型による補正、サイズの確認、デザイン補正などを行なう。2度目は、本番の生地を使って仮縫いした服を再度試着し、補正の確認をする。これを本仮縫いという。
ギャザー
ギャザーとは寄せる、集める、縮めるという意味。ギャザーとは、布の一端のみを縫い縮めてひだを作る技法のこと。またはそのひだ自体を指す。ギャザーは、ウエスト、切替え下、袖口、襟刳などに扱われる。タックやプリーツはひとつひとつの折りをしっかり出しているのに対し、ギャザーは、単に布を縫い縮めているだけなので、折り皺が途中で消える。ギャザーはヒダの幅や山が小さく、ふんわりとやわらかく華やかな表情が出る。
ギャザーを寄せることを、ギャザリング、ギャザーインなどと呼ぶ。本来は、布をゆったり使いゆとりを増し、着易さを出すためにギャザーを寄せた。現代では、ゆったり感と若々しさ、華やかさを表現するために使われる。ギャザーを細かく寄せるとシャーリングになる。
プリーツ
プリーツ(pleat)とは、布を折り畳み襞(ひだ)を作る技法のひとつ。規則的に畳み込んだ布の一部を固定し、衣服に運動性を持たせたり、立体的に装飾するために用いられる。ひだそのものを指すこともある。
プリーツの歴史は古く、古代エジプト以来用いられてきた。中世から近世にかけて、女性はすその長い衣服を着ていたので、歩きやすく運動性を出すためにプリーツを多用した。プリーツは通常の3倍以上の布を使うので、上流階級にしかできない装飾的な技法であった。
縫い縮めてひだを作るものをギャザー、布を垂らしたときに自然にできるひだをドレープと呼ぶ。ドレープやギャザーと異なり、プリーツは折り山がきちんとたたまれているため硬い印象があるが、折り幅や素材によって柔らかさも表現できる。折り畳むと3重になるため厚手の生地は適さない。また、腰が弱く収縮性がある素材も適さない。折り目が付いていないものをタック、折り山が途中で消えるものをダーツと呼ぶ。
シャーリング
シャーリング(shirring)とは、適度な間隔を開けて何段かにミシンで布を縫い、下糸を引っ張ってギャザーを寄せる技法。立体的な陰影をつくる装飾的な技法で優雅な雰囲気が出せる。「シャー」とは、ひだをつけるという意味。下糸にゴムを使うこともある。
シャーリングは、3つの技法がある。ミシンで布を縫い、下糸を引いてギャザーをよせるミシンシャーリング。ピンキングしながら縫い縮めていくつまみシャーリング。布の折山にコードをはさんでぐし縫いをしてギャザーを寄せるコーディドシャーリングの3種類。
パイピング
パイピング(piping)とは、布端の始末を処理する縫製方法のひとつ。共布または別布やバイやステープで布の端をくるみ包むこと。また、こうしてパイピング処理された布端もパイピングと呼ばれる。玉緯(たまぶち)と呼ばれることもある。
パイピングは、裏地のない服の縫い代やほつれやすい布の裾などに施し、ほつれ止めとして用いられる。本来は実用的な縫製技術だったが、襟や袖、ポケット口、ボタンホールなどに装飾的に用いられることが増えている。バイアスでパイピングした袖口をパイピングカフスと呼ぶ。他にも帽子や靴、バッグなどにも使われている。
フリンジ
フリンジ(fringe)とは房状の縁飾りのこと。紐や糸を束ねて付けたり、布端の地糸をほぐして寸本ずつ結んで房状にしたもの。フリンジは縁、末端、房などの意味。ラテン語のフィムブリアが語源。
フリンジの歴史は古く、古代オリエント時代に既に登場し、房が多いほど身分が高い証であった。本来は生地の端糸を束ねることにより、布のほつれを防ぐためのものであったが、余分な糸布が必要で加工に手間がかかることから高価なものであった。現代では装飾用として別の糸を付ける場合が多く、マフラーやテーブルクロス、カーペット、カーテンなどに用いられる。
ラッフル
ラッフル(ruffle)とは、襞飾り(ひだかざり)のこと。ギャザーやフレアーを入れたり、プリーツを畳んだりして、ひらひらと波打たせたもので、ドレスやブラウスなどの襟元や袖口などの布端や、ヨークという切り替え布の下布に見られる装飾。フリルと同じ意味だが、一般的にフリルよりも幅の広いものを指す。ラッフルとは、「波立つ、しわになる、ひだになる」という意味がある。
くるみボタン
くるみボタンとは、芯になる素材の表面を布・皮革・編み地などで包んだボタンの総称。形状は半球型のふくらみがあるものが多い。芯には、絹を丸めたもの、木、金属などが用いられる。くるむ素材は、布地に刺繍をしたり、模様を描いたり、布切れを接ぎ合わせたり、細かな編みこみを入れたりと様々な工夫が見られる。手工芸品的な側面もある。丸い形で、やわらかい素材で包んであるため、平たいボタンや樹脂・金属製品にはない風合いと温もりを感じさせることができる。ウエディングドレスの装飾としてよく使われる。背中のファスナー部分や、袖の開きの部分などにたくさん並べてつける事が多い。男性礼装の燕尾服やモーニングにも見られる。英語では、カバードボタン(coverd button)という。
サーキュラーカフス
サーキュラーカフス(circular cuffs)とは、円形に裁ったカフスを袖口に付けたもので、ゆるやかな波ができる。サーキュラーとは円形のこと。ピエロの服のようなヒダの付いた袖口。ワインドカフスとも言う。
スカラップ
スカラップ(Scallop)とは、端に沿って半円上の波形が連続する貝殻状の形の装飾のこと。スカラップとは帆立貝の意味で、その形状が貝殻に似ていることからそう呼ばれる。やわらかなウェーブを刺繍糸でしめることにより、エレガントで美しい仕上がりになる。ドレスのネックライン、スカート裾などに使用されることが多い。
スリット
スリット(slit)とは、上着の袖口や裾、ドレス・スカート・ズボンの裾に、縦に細長くあけられた切り込みのこと。装飾的にあけられるデザインもあるが、スリムなシルエットの時に運動量にゆとりを持たせ、動きやすさ、歩きやすさを出すために用いられる。スリットは通常、あく部分の生地は重ならない。
スリットの代表的なデザインとして、ロングのチャイナドレスなどのように裾から腰の近くまで長いスリットが入ったものや、アオザイのように長い身頃の上着の脇下にスリットが入ったものなどがある。また男性のジャケットの場合、両サイドにスリットが入ったサイド・ベンツ・スリットや、背中に一箇所スリットが入ったセンター・ベンツ・スリットのパターンがある。
フレアー
フレアー(flare)とは、揺らめく、炎がめらめらと燃える、広がるという意味。ファッションにおいては、緩やかに波うたせて広がりを持たせた開口部のことで、朝顔形のような形状を指す。フレアースカート(flared skirt)やフレアー袖(flared sleeves)などに用いられる。
ヨーク
ヨーク(yoke)とは、装飾や補強のために付けられる切り替え布のこと。コートやジャケット、シャツなどの身頃の背・肩・胸や、パンツやスカートの腰回りなどに多く用いられる。単に直線的に横に切り替えたものや、丸形、角型、V字型など様々な形状のものがある。
切り替えた下布にギャザーやタックなどを入れることで、動きを出したり体型をカバーしたり、デザイン、シルエットに変化を持たせる。ウエディングドレスの中には腰の部分にヨークが用いられ、その切り替え位置からトレーンになっているものがある。
スパンコール
スパンコール(sequin)とは、金属製またはプラスチック製の薄い小片の装飾。スパンコールは、形もサイズもさまざまで、中央の穴に糸を通してドレスなどに縫い付け装飾とする。光を反射し、キラキラと美しく輝くため、ドレスをより華やかに見せるために用いられる。ドレスの布面全体にビッシリと、まるで鱗のように縫い付けられているものもある。スパンコールは、スパングル(spangle)の訛った呼び方。
巻き薔薇
布を巻いて薔薇(バラ)の形を模した装飾品のこと。ドレスと同じ素材の生地で作り、肩や胸などに飾られることが多い。巻いて形作られるため、あまり大きなものはない。市販されている巻き薔薇はサテンのリボンを巻いて作られているものが多い。